ネクタイの個展「のぼってくだる」が切なくてかわいい

2017年3月7日から3月12日で開催されていた、イラストレーターユニット・ネクタイさんの個展「のぼってくだる」に行ってきました。

ひとめぼれ雑貨店「toitoitoi」も運営してらっしゃいます。期間中に記事更新できなくてごめんなさいっ!

会場は大丸藤井セントラルの7階スカイホールです。シンプルな会場がネクタイさんワールドに変身しています。

平面作品だけではなく、お家を模した作品や、3月12日に開催された絵本ライブの舞台も残っていました。右上の一角がワークショップになっています。

絵と絵の間に植物も。絵本の世界に紛れ込んだような世界観を作り上げています。

人気作品が集結!

作品は購入できるようになっていました。この作品が一番欲しかったです。ですが、残念ながら売約済みでした。うーん、またどこかで購入する機会はあるかしら…

欲しい作品はほとんど売約済みだったんですよね…もっと早く足を運べばよかったと思うほど。盛況さが窺えます。
作品の大きさは様々でしたが、落ち着いた色遣いと、どことなく漂う切なさがたまらなく好きなんです。

アンケートコーナーもかわいい

会場の一角にはこのようなコーナーが。

こちらはアンケートコーナー。置いてあったボールペンにもネクタイさんの絵が描かれています。

書いたアンケートはこちらのポストに投かんします。こちら何と、ネクタイののりおさんが小学生の時に製作したものだそう。クオリティ高いなぁ。現在のネクタイさんの世界観ともぴったりです。

絵本感覚で楽しめる作品

そして、会場の真ん中にあったお家。この中にも絵が描かれていて、まるで「ミッケ!」のような感覚で「ネクタイの家」「カラスのいえ」などを探します。

子供連れ歓迎の展示だったとのことで、当日も子供たちが中に入って楽しそうに探していました。

「パンをはこぶしごと」の連作も展示・販売されていました。何作かまとめて欲しくなってしまいますねー。危険。

人気の物販コーナー

こちらには物販コーナー。

先ほどの「パンをはこぶしごと」がハンカチとセットになって販売されていました。

そして、今回の展覧会のタイトル「のぼってくだる」の絵本が、展覧会BGMのCDとセットになって販売されていました。

「パンをはこぶしごと」「のぼってくだる」も手作り感が満載なZINEのようだったのですが、個人的にはしっかり製本された絵本が見たいなーという感想です。絵が素敵だったので、それに負けないクオリティの絵本を今後は期待してしまいます。

オリジナルのマスキングテープとボールペンも販売されていました。私はこの両方を購入。

擬音語をテーマにしたシリーズ。他にもポストカードやレターセットがありました。まだ勿体なくて開けてない!かわいい~!

アンケートコーナーにも置いてあったオリジナルのボールペン。SARASAですね。私は猫柄にしました。書き心地もやはり安定のSARASAです。

1000円以上お買い物をするとこのくじ引きができます。コーヒーやお米などの豪華な商品も用意されていたようです。

私?もちろんくじ運が無いのではずれです。でも、はずれてもかわいいポストカードがもれなくもらえます。

会場出入り口のガラスケースにはこちらも展示しておりました。

ネクタイのお二人が子供だった頃の作品が展示されています。特にこの猫の絵、めちゃくちゃ上手くないですか?この絵すらも買いたいです。

展示への関りが見える「ありがとう」

大丸藤井セントラル1階のガラスにも、ネクタイのお二人の作品が描かれています。

今回の個展に協力した方々とスタッフの方々を描いたものだそう。

セントラルさんはわたしたちに
どこまでも自由にやらせてくださって
コピーも考えてください とのことで
春は「出会い」のことしか思いつきませんでしたし
感謝の気持ちを伝えたかったので
この言葉を選びました

思えば、個展では子供たちや来場者の笑顔で溢れていたし、セントラルのスタッフさんもネクタイのお二人のお子さんと遊んでいたりして、とっても和やかな雰囲気でした。この展示を実現させるための作家さんとスタッフさんの頑張り、互いのとても良い関係性と感謝が伝わってきた展示でした。

あとはどうにかして作品を購入したい…という想いが渦巻いています。うーん、また次回!

「DESIGNERS IN REAL WOLD」で札幌のクリエイティブを考える

2月25日(土)に開催されたトークイベント、「DESIGNERS IN REAL WORLD それぞれの現実と未来」に行ってまいりました。

札幌国際芸術祭デザインプロジェクト連携プログラムとして開催されました。

首都圏と比べ、仕事もコミュニティも少ないように思える地方でなぜデザイナーとして活動しているのか?という少し重たいテーマですが、北海道にデザイン系の専門学校や大学はあれど、卒業後に人材が流出してしまっているのも事実。

そんな中、地方で働き続けることのメリットをゲストの皆さんが語ってくださいました。

会場のMEET.はめっちゃオシャンティーですた。
立見席も出るほど、大盛況のトークイベントでした。

ゲストは下記の皆さん。

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【ゲスト】
原田祐馬(UMA / design farm、アートディレクター/デザイナー)
梶原加奈子(KAJIHARA DESIGN STUDIO、ディレクター/テキスタイルデザイナー)
桑原崇/児玉結衣子(mangekyo、インテリアデザイナー)
青山剛士/青山吏枝(drop around、デザイナーユニット)
上田亮(COMMUNE、クリエイティブディレクター/デザイナー)
【ファシリテーター】
山中緑(HOKKAIDO MIRAI LAB.、代表理事/コミュニケーションデザイナー)
【オブザーバー】
佐藤直樹(Asyl、アートディレクター/多摩美術大学教授)
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ゲストの方々が順に、これまでの仕事についてや仕事観をご紹介した後に、全体でトークセッションをするという流れ。
どの方のお話も非常に興味深い内容でしたので、自分の感想を中心にレポートします。

”そもそも”をつくる

原田祐馬さん(UMA / design farm)

まずはUMA / design farmの原田祐馬さんのお話。COMMUNEの上田亮さんが「原田さんは非常に深い思考で物事を組み立てる」と仰っていたように、原田さんのお仕事からは、「見た目を整えるだけ」と思われがちなグラフィックデザイナーへのイメージを一変させる力を感じました。

UMA / design farm
UMA/design farmは原田祐馬が代表を務める大阪のデザインスタジオです。文化や福祉や地域に関わるグラフィックデザイン、ブックデザイン、エキシビジョンデザインなどを...

関西の文化や福祉、地域に携わる仕事を多く紹介していただいたのですが、「いつの間にか企画の方もやっていてー」「商品そのものの在り方から一緒に考えさせていただいて―」などなど、”そもそも”という非常に根本的な所からクライアントさんと一緒に見直している姿が印象的でした。

事例として挙げていた「みたらしだんご」。リニューアルにあたり、「関西のお団子なのになぜ鰹節なのかと。ここは昆布出汁やん!」と提案し、”そもそも”商品の練り直しから一緒にやっちゃう。

みたらしだんご : UMA / design farm
UMA/design farmは原田祐馬が代表を務める大阪のデザインスタジオです。文化や福祉や地域に関わるグラフィックデザイン、ブックデザイン、エキシビジョンデザインなどを...

 

あるいは淡路島で行った「島の土BBQ」というプロジェクト。肥料を作る養鶏さんや油製造業者さん、実際に肥料を使う農家さん、その野菜を食べる消費者の方々。このメンバーでバーベキューを行い、島の自然の循環と土壌について再認識するプロジェクトとのことです。堆肥を売るのにパッケージのデザインをするだけではなく、「”そもそも”食べるって何だっけ?」「私たちは何を食べているんだっけ?」というところから考えさせる。

島の土BBQ : UMA / design farm
UMA/design farmは原田祐馬が代表を務める大阪のデザインスタジオです。文化や福祉や地域に関わるグラフィックデザイン、ブックデザイン、エキシビジョンデザインなどを...

 

他に紹介していただいた事例もすべて興味深く、原田さんのスタンスは「自分の仕事を自分で作る」よりも一歩深く、「自分たちの文化や地域を自分で作ることを仕事にしている」なのでは?と考えさせられました。

デザインが生きる道を作る

梶原加奈子さん(KAJIHARA DESIGN STUDIO)

続いてはKAJIHARA DESIGN STUDIOを主宰する、テキスタイルデザイナーの梶原加奈子さん。個人的にとても聞きごたえがあって、一気にファンになってしまいました。

KDS
KAJIHARA DESIGN STUDIO 素材開発や商品企画、ブランディング等をとおして テキスタイルの持つ豊かな可能性を暮らしの中に提案します。 また、日本のテキスタイル産地...

 

梶原さんは日本各地域の伝統的な生地の産地に足を運び、時代を見越したデザインで世界に日本の技術と価値を売っていくお仕事をされています。留学先のRoyal College of Art(RCA)で、企業とタッグを組み、グアテマラの繊維産業をテキスタイルデザインから発展させる仕事に出会い、「人の生活、進む道、経済を作るデザイン」の重要性に気付き、「デザインとは人の生活をクリエイトすること」だと思うに至ったとのことです。

日本の繊維産業にとって、現代は非常に厳しい時代と言えます。技術力が高く品質が良い。しかし、価格が高く、デザインがされていなく、ファッションの時代性を見越したモノづくりがされていない。それによって、世界の市場から日本の生地が取り残されている状況。そこで「何とかしたい!」と立ち上がったのが梶原さんです。

例えばこのKANAコレクション。
他国に真似できない技術力を売るべく、梶原さんのデザインで有名メゾンに生地を販売しています。アルマーニ、ヴィトン、ランバンなどのトップブランドに日本の地方の生地が取り入れられられたのも、「デザインが産地と市場をつないだ」からと言えるでしょう。

KDS | WORKS | KANA collection
KAJIHARA DESIGN STUDIO 素材開発や商品企画、ブランディング等をとおして テキスタイルの持つ豊かな可能性を暮らしの中に提案します。 また、日本のテキスタイル産地...

 

企業の方や職人さんに「なぜ、デザインが大切なのか」をわかってもらうのは容易ではないと言います。「見た目をカッコよくすることに何の意味があるのか」「いけすかない」という声が、なんだか私にも聞こえてきそうです。その問いに答えるとすれば、「デザインは問題解決の手段であるから」ということなのでしょう。素晴らしい技術を世界に広めるため、後継者を育てるため、事業として成り立たせるため、そのすべてにデザインの力が関わっています。

「カッコいいものを作ることへの窮屈さ」を感じて渡英した時の気持ち、「デザインの力で経済を回せば生きていける人がいる」と学んだグアテマラでの仕事、それらのひとつひとつの経験が、梶原さんが日本のモノづくりを支援している現在に繋がっている。そんなことを感じさせてくれたお話でした。

自分に噓をつかない仕事

青山剛士さん、青山吏枝さん(drop around)

続いては、drop aroundを主宰する青山剛士さん、青山吏枝さんです。
お仕事はグラフィックデザインに留まらず、領収書や付箋などのオリジナル商品の開発や、実店舗の運営など多岐にわたります。

 

震災を機に「自分たちの衣食住に見えないプロセスが多い」ことに違和感が膨らみ、札幌へ移住後、「生活の中で”見える化”できることを増やす」が仕事や人生のテーマになっているとのことでした。

「『自分に正直に生きる』ことは難しいけど、『自分の中の違和感を大事にする』は実践した方がいい」という言葉を、最近個人的によく聞きます。drop aroundさんのお話を聞いてその言葉をふと思い返したのでした。

クライアントワークだけではなく、自社開発の商品やプロジェクトも多いdrop aroundさん。代表作とも言えるのがこちらの伝票類。

drop around | Online Store
ドロップアラウンドの「つくる・はたらく」ためのオンラインストア。領収書や紙の箱、付箋等の紙ものの他、ワークウェアなども。

使いにくい領収書などに我慢ならないなら、自分で作る。自分の違和感を、価値観を信じる。自分に嘘をつかないモノづくりをする。発信する側としてのその誠実さが、長く愛されるデザインを生む肝になるのだなと、勉強になりました。

個人的に勉強になったのは、「おこめやま応援金プロジェクト」での取り組み。

 

震災でデザインの無力さに落ち込んだりもしたけれど、マスは救えなくても惚れ込んだ個人を救うために動くことはできると実感したdrop aroundさん。鬼怒川の増水で被害を受けたお米農家さんを支援するため、クラウドファンディングを立ち上げています。

仕事でクラウドファンディングについて勉強する機会があったので、こちらのプロジェクトのご紹介は非常に学びが多かったです。
すでに確立されているクラウドファンディングのプラットフォームには乗らず、農家さんたちとdrop aroundさんで運営していること。お礼の品が「お米の可能性を感じられるモノ」「食べるという行為を見つめ直させてくれるモノ」であること。行き届いたウェブデザイン…

「お米農家さんを救いたい」という嘘のない想いがまっすぐに伝わる、これぞブランディングだよなぁ、というお仕事を拝見させていただきました。

価値観の手綱を握り直す

桑原崇さんと児玉結衣子さん(mangekyo)

インテリアデザインのユニットであるmangekyoの桑原崇さんと児玉結衣子さん。

mangekyo|インテリアデザイン事務所|北海道札幌
mangekyoは、商業空間のインテリアデザインを基軸に、家具をはじめとするプロダクトデザイン、建築デザインのディレクションなどを手掛けるインテリアデザイン事務所です。

 

会場であるMEET.やご自身のギャラリー兼店舗でもあるBLAKISTONに何度か足を運んだことがあるのですが、ホントどこから写真を撮ってもキマるんですよね。どの角度から見ても絵になる。そんなお二人がこれまで手掛けてこられたお仕事もどれも素敵で、隙のない世界観を空間として作り上げる丁寧なお仕事に感服でございました。

商業空間のインテリアデザインをお仕事の中心としていたお二人が、「自分の仕事や暮らしを見つめ直したい」と始めたのがBLAKISTONです。

BLAKISTON
オリジナル家具と国内外からセレクトした日用品を扱うインテリアショップ。寸法や素材などのご要望をお伺いし、イメージに合う家具をオーダーメイド出来ます。札幌市中...

 

自らがセレクトした日用品、オリジナル家具の製作などを販売し、ワークショップやイベント、展覧会も開催できるギャラリーも兼ね備えた空間です。

「クライアントワークだけではなくて、自分で開く場所が欲しくなるんですよね」とは、ファシリテーターの山中緑さんのお言葉。そう、ゲストの皆さんの仕事を見ていく中で私もそれはちょっと感じていて。
そういう、自分のこだわりを形にすることや、自分の価値観の隅々まで血を行き渡す作業が、これからお二人がデザイナーとして生きていくうえで必要だったんだろうなーと思いました。帯を締め直す感じ。新しく始めたBLAKISTONという場所での試みは「自分の価値観の手綱を握り直す」作業に近かかったのかもしれません。

自分なりの”社会貢献”を明確に

上田亮さん(COMMUNE)、手前はファシリテーターの山中緑さん(HOKKAIDO MIRAI LAB.)

最後はCOMMUNEの上田亮さん。

http://www.commune-inc.jp
communeは札幌をベースに、広告・グラフィックを中心に活動するデザインオフィスです。現在WEBサイトのメンテナンス中です。

 

楽天ゴールデンイーグルスの年間シートや、RITARU COFEEなどのブランディングの事例を紹介してくださり、「見た目を変えるには中身を知ること」が重要で、「誰かの未来をよりよくすること」を念頭に置いているとのお話がありました。

そして上田さんもこのシンポジウムの会場であるMEET.というスペースを運営しております。

 

この場所は「何かと何かの接着剤」という機能を持たせたいということで、クライアントワークだけではなく、お客様との関係性から一緒に作り上げていったり、自分の企画にお客様を巻き込んだり。そういう場所にしたいという想いがあってオープンさせたそうです。

上田さんの手掛けたお仕事を見ていく中で、何かこう、当たり前のことを言うようですが、デザイナーという仕事は本当に利他的な生業なんだなと思いました。

先ほどからゲストの皆さんのお話を聞く中で感じている、「自分の価値観を見つめ直す」という言葉の正体も、「私はどんな社会貢献がやりたいのか?」「自分はデザインでどう社会貢献ができるのか?」という問いと深く繋がっているのかもしれません。今回の登壇者の皆さんは、自分が発信する立場となって、場所を作り、つながりを作り、仕事を作っていく中で、その問いを醸成させている人達です。
この後のトークセッションにも通ずるお話を伺えたのではないかと思います。

トークイベント

続いてはトークセッション。
魅力的なお話がたくさんあったのですが、「地方でデザイナーとして生きていくことについて」という話題が面白かったので、ゲストの皆さんの意見を載せてみます。

drop aroundさんは震災を契機に、「デザインで衣食住の何かを自給したい」という想いが沸き上がりました。ただ、完全に自給することは無理だと実感した後も、「顔の見える関係性で安全なものを作れたり、インパクトのあるプロジェクトが創れる」し、「業界の目を意識したオシャレなものを作るよりも、泥臭くモノづくりをした方がずっとかっこいい」と思ったそうです。そうやって自分の活動を発信していくのに、札幌のコンパクトさ(良い箱屋さんや印刷会社さんがあり、同業者同士の距離が近い)はちょうどいいと感じた、とのことでした。

mangekyoさんは東京に対するコンプレックスを解消するために東京に進出したものの、実際に行ってみるとその複雑な思いは無くなってしまったそうです。
メディアを通してみる東京は非常に先鋭的で、日本の最先端を行っているように見受けられます。ただ、いざ行ってみるとメディアに取り上げられていない東京の姿、魅力的な人、空間、モノに出会え、いい意味で「土地へのこだわり」がなくなってしまったとのこと。

原田さんも東京へ進出することにこだわりがなく、大阪で仕事をしていても純粋に大阪の仕事は少ないとのこと。DESIGN EASTを主催した際も、国内で関東だ関西だと分けているけども、世界から見てしまえば関係なく、日本は日本。大阪から国際水準のデザインを発信していく志があったのだそうです。

上田さんからも、世界中からインターンを受け入れる身として、「海外からは『日本のデザイン』という大きなくくりで見られているので、その地方性は実はあまり関係がないのかも」と実感しているというお話がありました。確かに私も、外国の中の地域性は実はあまり気にしていなかったりします。だからこそ、北海道から直接海外へ打って出ていくことに違和感はないわけです。もしかしたら、「地方だから」と引け目に感じる必要なんかないのかもしれません。

梶原さんは、「自分の生きてきた環境は、自身のデザインに反映される」と言います。世界を相手に自分たちの商品をプレゼンする際にも、自身のアイデンティティを掘り下げていく作業が必要で、何に影響を受けてきたかが作品を形作るとのこと。そう考えると、札幌の環境、食、風土などが自分に非常に良い影響を与えていたとお話ししておりました。
また、北海道から道外の産地に入っていく際にも、地域同士の軋轢とは関係ない存在だと扱われるため、コミュニケーションが比較的取りやすいのだそう。そして、純粋に北海道にはないその産地の特徴を楽しめて感動でき、作品に落とし込むことができるとのことです。他の地域に先入観を持たない/持てないというのも、実は道産子の大きな強みなのかもしれないと再認識できました。

まとめ

最後にまとめとして、自分の感想を置いていきます。

先ほどから何度も書いている通り、デザインとは問題解決の手段。つまり、デザイナーとして生きていくには、社会の課題に対してどう向き合っているのか、その問いに自分なりのアンサーを出し続けていくということそのものです。特に今回のゲストの皆さんは、クライアントワークだけではなく自ら発信する活動が多く、「そもそも」「価値観」「問題解決」などのキーワードが多かったなと思います。

そのうえで、今回のトークイベントのタイトル「地域の未来」を考えた時に、札幌でデザイナーとして生きていく意味は何なのか。

  • 生産者との距離が近く、根本的な問題解決から一緒に取り組んでいける。
  • クライアントワークだけではなく発信する側に回った際に、仕事がやりやすい場所である
  • 地方から世界へ直接発信できる時代である。

などなど、参加者それぞれの中に何らかのヒントを見つけられたイベントだったなと思います。

これから始まる札幌国際芸術祭2017においても、デザイン業界の方とどんどん手をつないで面白いもの見せてほしい!という気持ちでいっぱいです。そしてその中にサイエンスやミュージアムも突進していってほしいなと。そのためあらば私も精進していきたいなという想いを再確認しました。

関係者の皆さん、お疲れ様でございました!

テラダモケイでジオラマや名作のワンシーンを持ち帰る

札幌のグランビスタギャラリーサッポロで開催されている、「テラダモケイ+ TERADAMOKEIの現在展」に行ってきました。

2013年の7月にオープンした、市内でも比較的新しいギャラリー。札幌グランドホテルの1階にあるので、ホテルの宿泊客だけでなく、私のような一般客も楽しめるようになっています。

グランビスタギャラリー サッポロ
札幌グランドホテルに新しくアートギャラリーが誕生しました。「グランビスタギャラリー サッポロ」で展示される作品のご紹介です。

テラダモケイ「+(プラス)」ってなんだ?

テラダモケイは一言でいえば建築模型に添えるアクセサリー。よくありますよね。スチロールなどでできた建築模型に、紙でできた人や木が付いていているの。

生活空間をイメージさせるのにぴったりなこの模型、展覧会での出品後に問い合わせが増え、プロダクトとして販売を開始した、という経緯だったそうです。

今回の展示では、テラダモケイ「+(プラス)」というのがミソ。つまり、ほかの企業やブランドとコラボレーションして生まれた作品を中心に展示されているとのことです。
なので、お客様のプレゼンテーション用のアクセサリーというよりは、このアクセサリーだけで空間を構成でき、世界観が確立している作品が多く見られます。

テラダモケイ+ TERADAMOKEIの現在展:グランビスタギャラリー サッポロ
札幌グランドホテル グランビスタギャラリー サッポロで展示される『テラダモケイ+ TERADAMOKEIの現在展』をご紹介します。

展示では、パネルと展示台、映像でテラダモケイの作品を紹介しておりました。

パネルは、上部に写真と説明を配置し、下部に組み立て前と後の作品を配置しています。このレイアウトはおしゃれだと思いました。参考にしよう。

登呂遺跡の模型で博物館のジオラマを手に入れた気分に

私が気に入ったのはこの弥生時代。国指定史跡 登呂遺跡を再現した模型です。

「テラダモケイと考古学…?」と最初は不思議に思ったのですが、そこはさすが建築模型といいますが、住居の再現の美しさに目を見張りました。

住居の周りには登呂人や生活道具、稲や動物も。当時の生活ぶりが丸ごと再現されており、博物館の再現ジオラマを手にしたような気分でした。快感。

ちなみにこの模型は自分で色を塗るようになっています。なんと、タミヤとテラダモケイのコラボレーション、静岡登呂博物館監修の、この模型専用のタミヤカラーです。
遺跡を実地調査し、石器や土器などの色をしっかり再現しています。遺跡が変われば土も変わる。この再現度はぜひ考古学を専攻している友人に模型と一緒に贈りたいです。

1/100建築模型用添景セット スペシャルエディション 国指定特別史跡 登呂遺跡編
約2000年前の弥生時代後期に稲作文化が花開いた登呂遺跡を1/100で再現しました。パーツを台紙から切り離し折り曲げるだけで、当時の農村の生活を再現することができます...

展示台でお気に入りの模型を探そう!

続いては展示台に並べられている作品を見てみます。ぎっしり隙間なく敷き詰められていて、ちょっと目移りしてしまいます。
ここから気に入ったのをいくつかご紹介。

ますはサイクルロードレース編。
この、展示ケースを斜めに走っていく構成がたまらないですね。疾走感や道の高低差も感じさせます。さりげなく「悪魔おじさん」がいるのもご愛敬。

1/100建築模型用添景セット No.63 サイクルロードレース編
徹夜続きの設計事務所スタッフに朗報!! プレカットされたパーツを切り離すだけで組み立てることができる添景セットシリーズ第63弾、サイクルロードレース編です。ヨー...

空間構成という意味では、このテニス編も好きでした。
テニスコートを構成する道具とプレイヤー。シンプルなだけに、余計に試合の緊張感も際立ちますし、プレイヤーの孤独さも伝わってきます。手に汗握る試合を観戦している気分です。

1/100建築模型用添景セット No.58 テニス編
photo : Kenji MASUNAGA ↑クリックで拡大 徹夜続きの設計事務所スタッフに朗報!! プレカットされたパーツを切り離すだけで組み立てることができる添景セットシリーズ...

最後はこの「忠臣蔵 墓前に報告編」です。
「討ち入り編」「松の廊下編」に続く、忠臣蔵三部作の最後を飾る作品とのこと。泉岳寺での墓前に報告する名シーンが再現されています。いかにもクライマックス。
紙なのに、後姿なのに、どうしてこんなに一人一人の気持ちが伝わるような模型が作れるんだろう…

私は忠臣蔵に詳しくないのですが、見る人が見れば、どれが四十七士のうちの誰に当たるのかわかるんだろうなぁ。時代劇ファンに贈りたい模型です。

1/100建築模型用添景セット No.54 忠臣蔵・墓前に報告編
photo : Kenji MASUNAGA ↑クリックで拡大 徹夜続きの設計事務所スタッフに朗報!! プレカットされたパーツを切り離すだけで組み立てることができる添景セットシリーズ...

名作のワンシーンを購入!

物販では展示されている作品の一部を購入することが可能です。

どれにしようかかなり迷ったのですが、私はこの「ひまわり」にしました。戦争の悲劇を描いた名作ですね。

このひたすらひまわりだけを組み立てる感じ。葉と花が別パーツなので、太陽の角度によって微妙に角度が違う様子を再現できます。その方がリアリティが出ますね。

展示ではこのように。周りの作品がケースいっぱいいっぱいに配置して構成していたのに対し、この「ひまわり」はケースの中央に固まって花々が群れていました。

ひまわりの中にたたずむ主人公。にぎやかな色使いと花なのに、静寂で満ち溢れています。
戦争の悲惨さ、切ない結末を思い起こさせる素晴らしい模型だと思います。

1/100建築模型用添景セット No.68 ひまわり編
徹夜続きの設計事務所スタッフに朗報!! プレカットされたパーツを切り離すだけで組み立てることができる添景セットシリーズ第68弾、ひまわり編です。一面のひまわり畑...

最後に

ミュージアムグッズとしてこのテラダモケイを見かけることも多いのですが、登呂遺跡やひまわりのように、展示で得た経験や作品を見た感動を小さく閉じ込めておけるのが、個人的には面白いと思います。
博物館大好き人間なので、登呂遺跡の模型とタミヤカラーも手に入れてみたい!

皆さんのお気に入りの一品も見つかるかも?おすすめです!

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「テラダモケイ+ TERADAMOKEIの現在展」
期間:1/26~3/7
場所:グランビスタギャラリーサッポロ

茨城県北芸術祭で自分の鑑賞スタイルと公式グッズを想う

先月訪れた茨城県北芸術祭、前回に続いて今回は日鉱記念館と御岩神社に行ってきた時のお話です。

茨城県北芸術祭で山と海を同時に体感する旅へ
10月23日にKENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭(以下、茨城県北芸術祭)に行ってまいりました。2016年は瀬戸内国際芸術祭、あいちトリエンナーレ、岡山芸術交流、さいたま...

うのしまヴィラまで運んでくれたタクシーの運転手さんには帰りもお世話になり、日立駅まで送ってくれました。
帰りすがら、「御岩神社は行かないの?タクシーだとすごいお金かかるからオススメはできないけど、いいところだから良かったら行ってみなよ」と勧めてくれました。
御岩神社やその手前の日鉱記念館も芸術祭の会場。無料のシャトルバスもあるので、いそいそと向かうことにしました。

やっぱり急坂な日鉱記念館

日立駅からバスに乗り15分ほど。うねうねした山道を登っていくと日鉱記念館にたどり着きます。

日鉱記念館
日鉱記念館は、「未来と自然の調和」をコンセプトに、日立鉱山跡地に建てられました。 開館以降、学校など教育機関の研修や社会見学をはじめとして多くの皆様にご来館を...
敷地内ですらこの坂道。

元々炭鉱だったとは思えないほど、きれいに整備されています。ウイスキーの製造工場みたい。

何となく余市を思い出す感じ。

今回はあまり時間がなかったので、本館の中の展示と作品を見て回りました。

松田平田設計が手がけたモダンな建築です。周りの風景の自然と溶け込むシンプルさ。

日鉱記念館 | 松田平田設計
総合設計事務所[松田平田設計]は、1931年の開設以来、高機能ビル、公共施設、大規模集客施設など、誠実公正な設計監理を実施。また都市計画、免震・耐震・リニューア...
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赤沢鉱山(日立鉱山の前身)の売買契約書

展示品は日立鉱山にまつわる様々な資料が展示されています。これは赤沢鉱山の売買契約書。

この印紙の数すごいですね。今でも私生活で使う契約書やら何やらがめんどくさくて悩んでいるのに、当時から印紙、割印文化だったんだなと窺えます。
どこで何をやるにも印鑑が必要で、本当これどうにかならんのかなとうんざりしている身に染みました(結婚にまつわる手続きの多さに閉口しているので、やややさぐれ気味にお送りします)。

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当時の鉱山の様子。今の静かな森と同じ場所とは思えないほど、切り開かれていたようです。

”自分ごと”になる芸術鑑賞

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活気があった鉱山のようで、当時の生活の様子が写真で展示されていました。

以前軍艦島を訪れた際も、当時の暮らしぶりを写真で見て一人で泣きそうになってました。何気にこういう展示に弱いのです。今は遠い昔、もう戻れない、活気があった頃の暮らし…泣ける…

こういう記念館を訪れる際は「展示のどの部分で、内容が”自分ごと”になるのか」を念頭に見ると面白いと思います。ぐっと気持ちが入ってしまう部分はどこか、ってことですね。
退職した元企業戦士であれば、日立グループの発展ぶりと働き盛りだった頃の自分を重ね合わせて見るかもしれませんし、建設業に従事されている方は模擬坑道を見ると、手作業で掘り進めた坑道に圧倒されるかもしれません。
仕事に限らずとも、庭で大根を干すお母さんが写った写真で泣けたり、部活動の写真で微笑ましい気持ちになったり。

「文脈」が大事とされている昨今ですが、自分は、作品や展示物のバックグラウンドを知って楽しむことにあまり興味がなくて、鑑賞する際はどこまで行っても自分の心の有り様にしか興味がないのです。
逆に、作品を見ることでイメージがどんどん膨らみ、新しい着想が引き出されていく作品が、自分にとって「良い」作品です。「自分ごと」になる作品や展示物を追い求めて生きています。
ここら辺、自分の鑑賞スタイルに関わるのでまたいつかどこかで書くとします。前提知識との付き合い方って本当に難しい。

Playable Sculpture(遊べる彫刻)/Tuksina PIPITKUL

展示のいちばん最後に作品が設置されていました。


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岩を砕くドリルの一部を組み替えられるようにし、昆虫の頭のように変形できる仕組みになっているそう。

「遊べる彫刻」との謳い文句だったのですが、ガラスケースに入れて展示してありました。係員さんによると、部品が破損してしまったようでこのような対応になったとのこと。んー…見てるだけでは何とも伝わりにくかったので、触れないのはやっぱり残念です。

御岩神社でまずは天井画を見る

気を取り直してシャトルバスで御岩神社へ。この時点で時刻は16時近く。帰りのシャトルバスもすぐ出てしまうとのことで、帰りは路線バスを使用することにしました。

この時点でだいぶ陽が落ちかけています。

日本でも有数のパワースポットなだけに、ひっきりなしに参拝者が訪れています。若い女性も多かったかな。

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関東といえど秋は深し、陽も落ち始めているので山の中はひんやりしています。綺麗に手入れされた木立が美しいですね。

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御岩神社といえばこちら。境内にそそり立つ三本杉。樹齢500年と言われ、県指定の天然記念物になっています。

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立派な樹です。バスの中で調べた情報では、かなりスピリチュアルなスポットとしても人気なようでした。
あまりにもパワーが強くて、宇宙から光の柱として見えるとかなんとか。逆に安っぽく映るから、そういう話なら知らなきゃ良かったな…(まだやさぐれ中)。

気を取り直して作品を見に行きましょう。斉神社の天井画です。

斉神社の内部。上を見上げると…
御岩山雲龍図/岡村美紀

おお!立派な龍が!
御岩山の上空を飛ぶ龍を描いたもの。公式サイトには「それはこれまでの天井画に描かれることのなかった、上空からの視点です。」とあるのですが、天井画ってどういう素材を描いていたんだろう…ちょっと含みを待たせた説明なので気になりました。

拝殿で風の姿を見る

次の作品を見に歩を進めます。拝殿の方へ向かう道すがら…

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わ!左手方向になんか見えてきた!

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杜の蜃気楼/森山茜

森山茜の作品です。木々の間で、キラキラした半透明のビニールが揺らめいています。風が吹くとシャラシャラと音がして、風の姿が可視化されたようでした。

シンプルな直方体で、龍や神社にまつわるモチーフを積極的に形にしたわけではなさそうです。その分見る人の想像する隙間を残しているのでしょう。

芸術祭の存在を知らないで参拝に来た方も多そうで、「え!なにあのヒラヒラ!」とびっくりしている方も見受けられました。人気のスポットを展示場所にするとこういうことも起こりえますね。

素朴な疑問なのですが、作品の設置場所ってどうやって決めるんでしょうね。
日鉱記念館然り御岩神社然り、美術館とは違う場所に展示しているので、場所の強みを生かせるのでしょう。
ただ、芸術祭に来た「観光客」を、「観光」という側面から主催者の思惑で「来て欲しい場所」に、芸術を使って誘導しているような印象も受けました。芸術祭として場所へのポリシーがないと、芸術祭巡りと称した観光地巡りになってしまいそう。

とはいえ、こういう機会でもないと御岩神社に来ることはなかったのも事実。パワースポットとして名高いところってどうしても足が遠のいてしまうので。

そんなことを考えながらぶらぶら歩いていると、杉林に囲まれていました。きれいに剪定されていますねー…

Processed with Rookie Cam

…こういう、丁寧に手入れされた空間ってちょっと怖くなります。パワースポット的なありがたみではなくて、威圧されるというか。

Processed with Rookie Cam

神聖な空間を維持するための人間の規律って、だるだるゆるゆる人間な私には圧が強くてちょっと怖いです。
特にここは人気の神社。一見して豊かな自然環境に見えますが、かなり細部まで人間が目を光らせることで、多くの参拝者を受け止めているんだなと感じてしまいました。

ちなみに帰りの路線バスが来るまで1時間。誰もいない野ざらしのバス停で一人待ち付けました。めちゃくちゃ怖かったです。寒いし…

公式グッズはこれでよかった…?

最後に芸術祭の公式グッズを買ってみました。

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クリアファイル

と言っても購入したのはこのクリアファイルのみ…こんな風に、芸術祭のビジュアルイメージを展開して、トートバッグやマスキングテープやバッチにしているものばかりでした。

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このデザイン自体は素敵だと思うのですが、どうにもワンパターンというか…
地元の商品に芸術祭のロゴが付けられたお土産があったのですが、これもどんな商品なのか、なぜ芸術祭で売られるべき商品なのかがわからず、いまいち心に響いてきませんでした。

どうせやるなら、あいちトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭みたいに、特産品をデザイナーがリデザインして地域の魅力を積極的に発信するとか、アーティストのオリジナルグッズを作るとか…

リデザイン | 瀬戸内国際芸術祭 2016
瀬戸内国際芸術祭は、美しい瀬戸内海の島々を舞台に3年に一度開催される現代アートの祭典です。

札幌国際芸術祭2014でも、商品のラインナップが個性的で、ルイ・ヴィトンとのコラボレーションもしていて、他の芸術祭との差別化を積極的に図っていました。

公式グッズ | 札幌国際芸術祭 2014
グッズの販売は終了しました。 x LOUIS VUITTON x moretrees SCARF SOLD OUT x LOUIS VUITTON x moretrees SCARF SOLD OUT x LOUIS VUITTON x moretrees SCARF SOLD OUT...

ミュージアムグッズ同様に公式グッズも、芸術祭のヴィジョンを表現する手段であるし、広告宣伝の役割だってあると思うのに。積極的に買いたいと思える商品がなくて、ちょっと残念でした。

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ちなみに、今回は公式ガイドブックを買ってから臨みました。あまり中身は読めなかったのですが…
最新情報や作品情報は公式ホームページを確認するのが良いとして、観光ガイドブックとしての情報が豊富でした。

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お食事情報もずらり。この海鮮丼食べたかったな…

茨城県北芸術祭レポートはこれにて終了。
次回はLIXILギャラリーのブックレットを大人買いした時のお話など書こうと思います。また次回!

茨城県北芸術祭で山と海を同時に体感する旅へ

10月23日にKENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭(以下、茨城県北芸術祭)に行ってまいりました。

KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭
海か、山か、芸術か?2016年秋、茨城県北6市町の豊かな自然と町を舞台にした国際的な芸術祭が誕生します。

2016年は瀬戸内国際芸術祭、あいちトリエンナーレ、岡山芸術交流、さいたまトリエンナーレ、みちのおく芸術祭 山形ビエンナーレなど、国内で多くの芸術祭が開催された年でもありました。
で、その中からなぜ茨城県北芸術祭に行ったかというと、テーマに「最先端の科学技術との協働」との表記があったからです。

茨城県内の歴史を振り返ってみると、この地域では江戸の末期から炭鉱が開かれ、日立周辺は銅鉱山、工業・産業が発展し、明治以後の日本の近代化を支えた地域であった。一方、北茨城の五浦はアジアの美学の重要性を唱えた岡倉天心や横山大観らが居を定め、日本近代美術の発展と深い関わりを持ったことで知られている。
近年では、アーティストのクリストが、常陸太田にアンブレラ・プロジェクトを実現し、先進的なアートの発信が話題になった。県内には筑波大学や研究所等が所在し、「科学万博−つくば’85」の開催地になった経緯もあり、茨城県は日本のアートと科学技術発展の拠点にもなっている。
そこでこの芸術祭は、茨城の持つこのような先進性に注目し、自然との対話と同時に、最先端の科学技術との協働にも注目をしていきたい。現代において、美術はもはや絵画と彫刻からなるだけではない。科学技術を使ったメディアアート、さらに次世代の変革を担う生物学を援用したアートも登場している。こうしたアートの新しい可能性を紹介することも茨城らしいこととなるだろう。
開催概要|KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭

ここ数日、研究者のアウトリーチとしてのアート活動の可能性について考える日々が続いているので、少しヒントになればと思ったのがきっかけです。
この開催概要には「科学技術を使ったメディアアート」という記述もあって、アーティストが科学技術にどういうスタンスで向き合っているのかを知ることもできるかなと思いました。


ここら辺を予備知識で入れておくといいのかも。

しかし、この目論見はあっさり崩れることになります…

茨城、なまら遠い問題

そうです。茨城までの距離を舐めきっていたのです。
東京駅を9時のバスで発ち、水戸に着いたのが11時半、そこからホテルに荷物を預けて、電車に乗って日立市に着いたのが13時近く…あれ、朝に出たはずなのに午後しか芸術祭周れないなんて、茨城遠くない?

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…距離だけ見たら旭川の手前に行くようなもんじゃんか!!そりゃ遠いわ!!
と、帰宅後自分に総ツッコミ入れました。

まぁあの、言い訳をしますと、出発直前までバタバタしていたり体調を崩しがちだったこともあって、今回の旅行はほとんど事前に計画を立てていませんでした。
過去に芸術祭を見に行った時は、かなり綿密な計画を練っていました。瀬戸内や山形など「地方型」と呼ばれる芸術祭では、交通インフラに気を配っておくことがいかに重要か、これまでの経験で身に染みてわかっていたのです。
なのに今回は、「まぁ言うても茨城だしー関東だしー行けば何とかなるっしょ!」と、まともに事前準備もせず出発してしまったわけです。関東の距離感舐めてましたごめんなさい。

しかもですね、日立市に行ったはいいものの、ひとつひとつの作品の設置場所が離れてて、結構遠いんですよ…
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左上の日鉱記念館や御岩神社までは無料の循環バスが出ていたのですが、右上のうのしまヴィラまでは車で15分ですが巡回バスはありませんでした。あえなくタクシーです。
こんな風に、一つの市内でも効率よくたくさん回るのはちょっと検討しておくべきでした。日立市の他にも作品設置エリアはあるので、車無し、泊数短めの人で複数のエリアを跨いで回りたい人は、全部の作品を見るのは厳しいかな…
見たい作品を絞るなど事前に計画していくことをお勧めしますよ!

日立駅の美しさ、想像以上

いきなりネガティブに愚痴っちゃいましたが、見てきたものは素晴らしかったので気を取り直していきましょう。
今回の芸術祭では宿泊するホテル(水戸市)に近い日立市の作品を中心に見て回ることにしました。
日立市といえば、日立駅、というくらい駅に行けるのを楽しみにしておりました。それではどうぞご覧ください。
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じゃーん!じゃじゃーん!きーれーい!
駅の壁がほぼガラス張りになっていて、海側の眺望が最高なのです。

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ガラス張りの飛び出している部分はレストラン。

この駅のデザイン監修は、日立市出身の世界的な建築家、妹島和世。SANNAとして手掛けた、金沢21世紀美術館の設計が有名ですかね。

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茨城県北芸術祭のテーマカラー、青と緑のフラッグも風になびいて爽やかです。既に晩秋の札幌から出てきただけに、この景色を見てしまうと何だかバカンスに来たような気分になりました。

日立市にはいくつか作品があるのですが、今回の芸術祭を象徴する作品のひとつといえばこちらでしょう!

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回廊の中で:この場所のための4つの虹 ー KENPOKU ART 2016のために 2016/ダニエル・ビュレン

ガラス窓に虹色のカッティングシートが貼られ、虹色の美しい空間が生まれています。
お昼頃に行ったからか、陽射しは両側から柔らかく差し込み、深く濃い色合いが充満していました。

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いつまでも居られるわ…

朝や夕方に行けばまた違った光に満たされるのでしょう。
シンプルですが場の特性をうまく生かした作品でした。

ノアの箱舟がバスだったなら

日立駅近くのシビックセンターにも作品がいくつか展示してあります。
私が観れたのは外に展示してあったテア・パキマーの作品。

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ノアのバス/テア・マキパー

芸術祭に訪れた人や地元の人で賑わっていました。特に子供達に大人気のよう。

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植物が絡みつくようにバスに生えています。文明が荒廃し、自然の中に還っていくとこんな姿になるのかしら。

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バスの中を覗いてみると、あら亀さん。
このバスの中で、ウサギ、ロシアンリクガメ、モルモット、レースポーリッシュ(鳥)が暮らしているのです。だから子供たちが喜んで覗いていたのですね。

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「ノアのバス」というタイトルが付けられているので、このバスはつまりノアの箱舟なのでしょう。
バス停には「山行き」の文字、そして作品が設置されているここは海沿い。山に向かうノアの箱舟は、震災を思い起こしてしまいます。作家の震災へのリサーチの結果、こういう作品が生まれたのですね。

人間が乗っていない、山行きのバスの中に住まう動物たち。いや、避難した後、人間が住めなくなった街に置き去りにされたバスなのかも…と色々想像してしまう作品でした。

作品として生き物を飼育する際にケアはどうなっているんだろう…と思ってしまうのですが、こちらの作品では「かみね動物フレンズ」という、かつて園で働いていた方が毎日ケアを行っているそう。
あいちトリエンナーレ2016でちょっと悲しい出来事があったので、ホッとしました。

ヤドカリの家は誰のもの?

続いてはタクシーで、うのしまヴィラに向かいます。
以前からどうしても観たかった作品がそこに展示されていました。

やどかりに「やど」をわたしてみる ーBorderー/AKI INOMATA

3Dプリンタで製作した殻に、実際にヤドカリに引っ越してもらうプロジェクト。AKI INOMATAの代表作です。

貝殻の上には世界の様々な土地の姿が。上の写真は、これはモロッコの都市、ワルザザートにあるアイット=ペン=ハドゥの集落です。

実際に殻を背負ったヤドカリ。元気に水槽の中で動き回っていました。
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全部で9都市の作品がありました。素敵だった…。

ヤドカリは、強い個体によって強制的に殻を交換させられることもあり、殻は自分の身を守る術でありながら、同時に権力や抗えないものの象徴でもあると感じました。

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展示場所となったうのしまヴィラも、震災で津波の甚大な被害にあい、2014年に営業再開が叶った温泉旅館です。

うのしまヴィラ(鵜の島温泉旅館)|茨城県 日立市太田尻海岸のカフェ感覚で泊まれる宿
茨城県日立市大田尻海岸の「鵜の島温泉旅館」が2014年4月に「うのしまヴィラ」としてリニューアルオープンします。

大切な場所を失くし去らねばならなかった人、戻ってきた人、それも叶わなかった人…あの震災で、それぞれに殻を手放さざるをえなかった人たちがいて、それぞれの今があります。

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うのしまヴィラの目の前、太田尻海岸。プライベートビーチ感すごい。

AKI INOMATAの本作品は、世界が抱える移民や難民の問題やその苦難を彷彿としますが、それはこの場所で生きている人たちの現実そのものではないでしょうか。
「ここに展示する意味」を強く感じました。

暮らす人の実感から湧き出るテーマを

旅ではなるべく地元の人と話すようにしており、今回はうのしまヴィラに向かう途中で、タクシーの運転手さんとたくさんお話しできました。
うのしまヴィラまでは車で15分ほど。その道中は細かい坂道の連続で、石狩平野でのんびり暮らす自分にはかなりのアップダウンに思えました。

私「ぎゃー!また坂!」
運転手「こんなの大したことないんだって!山側に行ったらもっとすごいんだから!」

という会話の連続でした。

私「住宅も斜面に沿うように建ってる…平らな地面がほとんどないんですね」
運転手「この辺は海と山との距離がすごい近いんだよ。平野部も海沿いに少しだけ。ここは海と山の街なんだよね」
私(…そうか!だからこの芸術祭のテーマが『海か?山か?芸術か?』なんだ!)

と、車内で神の啓示を受けた人みたいに閃きました。

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引用元 デジタル標高地形図(東日本太平洋沿岸)

こちら、日立市の標高地形図。青く表記された平野部は海岸線に沿ったごく一部にしかなく、いきなり標高が高くなっていることがわかります。

引用元 標高図/札幌市

ちなみにこちらは札幌周辺。日立市の標高図と色の使い方が逆でわかりにくいのですが、太平洋から札幌市街地は石狩平野が広がっています。

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日立駅のバス停から海を撮影したもの。日立駅自体も切り開いた山の斜面に建っていて、どう見ても平地が少ない。坂と共に生きている街でした。
何の影響かわかりませんが私は海へ続く坂道が大好物なので、この風景大好きです。数時間の滞在じゃもったいなかったな。

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私は海エリアの日立市を選んで鑑賞に来たのですが、海にいながらにして十分に山を感じられる場所でした。
こんな風に、ここに暮らす人の口から自然に出た言葉の中に芸術祭のテーマが含まれていると、その地域の本質を掴んでいるなぁと感じられて嬉しくなります。
今回のテーマにあるように、「海か?山か?」と海と山を同列に扱える環境なんだなと実感できました。それだけでここに来た甲斐がありました。

できれば作品を通じて、「山と海が近いことで、地域の生活スタイルや文化にどのような影響を与えたのか」が見られたら面白かった。でもこれは個人的な興味としてとっておこうかな。

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長文になりましたが、今回はここまで!
次回は海エリアの中でも山深くまで行ってきたので、その模様をレポートします。
あー写真見返していたら、またすぐに旅に行きたくなってしまう…

ミュージアムグッズから読み解く!「速水御舟の全貌ー日本画の創造と破壊ー」

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2016年10月22日に、青い日記帳×山種美術館 ブロガー内覧会 「【開館50周年記念特別展】速水御舟の全貌 ―日本画の破壊と創造―」(@山種美術館)をリアルタイムでレポートしよう!に参加してまいりました。


私はミュージアムグッズにとっても興味がある人なので、今回の展覧会や山種美術館について、ミュージアムグッズに関する感想と併せて書いてみようかと思います。

技法の確立と芸術家の執念

今回の展覧会は「速水御舟の全貌」というちょっと大胆なタイトル。
山種美術館の所蔵品や他館所蔵作品を交えて、作家の画風の変遷を辿っています。
個人的に面白かったのが、速水御舟の絵画技法について着目している点。
例えばこちらの作品。

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【重要文化財】名樹散椿(昭和4年|山種美術館)

ご存知の方も多いかと思います。
昭和に入ってから初めて重要文化財に指定された作品、「名樹散椿」。
屏風に描かれた椿のダイナミックな枝ぶりに目を奪われます。
ここで注目すべきは背景の金地とのこと。

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ガラス越しの撮影だったので、うまく伝わっているか微妙なのですが…この全くムラのない、しっとりとした質感の金地に圧倒されます。

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左:箔押し、中:金泥、右:撒きつぶし(キャプションより)

この金地の技法の違いは別途解説がありました。
元々、蒔絵の職人だった御舟。そのノウハウを日本画に生かし、この撒きつぶしという技法を採用しました。
通常より粒子の細かい金の砂子を、均一に敷き詰めることで、この質感が生まれるとのこと。

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生で彼の絵を見た後で、画面いっぱいに均等に砂子を撒く、その姿を想像すると、狂気すら感じます。これが芸術家の執念かと。
山崎館長のギャラリートークでは速水御舟の家庭的な人間味溢れる一面も紹介されていましたが、やはりこの絵を見てしまうと何も言えなくなってゾッとします。
展示では蒔絵師として活躍していた頃の彼の作品も展示されています。併せてぜひご覧ください。

こんな風に、今回の展示では速水御舟の絵画技法について着目する仕掛けがあったのですが、山崎館長のギャラリートークではこちらの屏風の技法についても解説がありました。
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翠苔緑芝(昭和3年|写真撮影不可作品のためポストカードを撮影)

速水御舟の中でも一般的な知名度が高く、私もこの作品が一番好きです。
琳派を意識した画面構成の中に、単純化された築山や動物、それと対照的に精緻な描き込みが光る枇杷や紫陽花…描き方が異なる不思議な世界観なのに、一見しただけでは全く違和感がない。
作家のバランス感覚に頭が下がります。
ポストカードや画像で見るよりも、「屏風」を体験してほしい作品です。
屏風だからこそ、余白は空間となり、匂いたつ植物の気配と絵の中に流れる独特の静けさ、緊張感をより実感できます。

絵画技法から見ても、胡粉を重ね盛り上げて描く手法を用いており、特に紫陽花の表現では、速水御舟の奥様やお弟子さんの証言によると、薬品や重曹を用いた実験的な手法を取り入れて描いたとのこと。
それでも剥落がなく保存できていることに驚きで、作家の探究心が垣間見えます。おすすめ!

展示とミュージアムグッズとの関連性

個人的に、山種美術館のミュージアムグッズが大好きです。
その理由は挙げればきりがないのですが、やはり「再現度へのこだわりと、キュレーターのメッセージがグッズに反映されているところ」なのです。
例えばこちらの商品。

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洋封筒「椿の花」(左)、「天仙果」(右)各¥250

余白が眩しい…これだけで1枚の絵のような完成度です。
画面構成とはなんぞやを意識させられます。
実際に使うとしても必然的に丁寧に宛先を書きたくなります。
もらった人も嬉しいですよね。

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葉や実の表現に用いた滲みも見事に再現されています。
エンボス加工で浮き上がっているので、触って確かめてじっくり観察したくなる仕掛けです。
先ほどから何度も書いているように、今回の展覧会では作家の絵画技法について展示で言及していました。
なので、このグッズを手に取った時に、速水御舟の技法へのこだわりと執念を思い返すことができるのです。
展示でどんなところに着目してほしいのか、作品の再現度にこだわることでキュレーターのメッセージがより深く伝わるような気がしました。

もう一点、面白かったのはこちら。

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グリーティングカード「翠苔緑芝」¥480

こちらのカード、封筒付きなのですがよく見ると封筒に穴が空いているのがお分かりになりますか?
カードを封筒に入れてみると…

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じゃん!このように、兎と紫陽花にスポットが当たるのです!
もらった人も驚きのデザインですよね。

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描かれているモチーフの可愛さに惹かれて封を開けると、「あれーこんな絵だったんだ、想像と違ったなぁ」「思ったより余白が多い…あれ、これって屏風だったの?」と、もらった人と作品の間に化学反応を起こし、新たなコミュニケーションが生まれる仕掛けになっています。
今回の展示と関連させてみると、兎と紫陽花の描き込み方の違いを思い返すことができ、封を開けた先に待っている自分の感動を増幅させることができるなと思いました。

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封筒のフラップもちょっと変わった形。

ミュージアムグッズは博物館学の観点から「博物館のミッションを伝える手段であり、展示や教育プログラムの延長であり、来館者の満足度を支え、多様なニーズに応える手段である」と言われています。
個人的に美術館のミュージアムグッズは「おみやげ」としての側面が強い印象だったのですが、このような作家のこだわりやキュレーションのポイントをうまく反映させたものが買えると嬉しいです。
展示の延長としての役目を果たしているミュージアムグッズに出会える美術館だなと改めて思いました。

モチーフの抜き出しをするときに大切なこと

そして山種美術館のミュージアムグッズといえば、モチーフを抜き出してグッズ製作を行っている印象があります。

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刺繍ミニタオル「翠苔緑芝」¥500

美術館のミュージアムグッズは作品を全図で使用し、クリアファイルやメモ帳などに印刷しているものがほとんど…というイメージがありました。
ご遺族や関係者の方々のご意向等事情があるのだと思うのですが、あまり美術館ごとの違いを感じられないなというのが正直な感想です。
その点、山種美術館のミュージアムグッズは「一味違うなぁ」と思うのです。

「特に弥夫人と和子氏への取材はいつも和やかな雰囲気で、時がたつのも忘れるほど楽しいものだった。」
「ご遺族に接しているうちに、筆者にとっての御舟は、過去の日本画家という存在から、次第に身近な存在へと変わっていった。」
速水御舟−近代日本画の前衛として
山崎妙子

上記の文章は本展の図録からの引用です。山崎館長がどんな想いで御舟と向き合い、ご遺族と交流を重ねてきたのかが窺えます。
オリジナリティ溢れるミュージアムグッズの製作においても、ご遺族と誠実に交渉を重ね、一つ一つ実現させてきたのだなと想像してしまいました。

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ミュージアムショップの手書きPOP。

速水御舟という作家を紹介し、多くの方に知ってもらうために、まずは部分としてモチーフの可愛さや親しみやすさに着目してもらうこと。
私のような日本画初心者にはとてもありがたいです。
でも、そのようなミュージアムグッズが実現できているのは、美術館側の尽力の賜物だと思います。

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金平糖「翠苔緑芝」¥900

金平糖が入ったケースも漆のようなしっとりとした質感です。
中にはモチーフの元となった作品の解説も封入されています。

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ブローチピン「翠苔緑芝」¥950

こちらのブローチは純国産のクルミの木で作られており、非常に細かいタッチまで再現され、箱には箔押しがされています。
高級感がありながら、¥1,000以下で購入できることに感動しました。

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刺繍シール 各¥1,000

ミュージアムグッズを作るには、美術館として権利者と互いに信頼しあうことが重要で、それがグッズとしてのオリジナリティに繋がってくるのかもしれない…そんなことを考えさせられました。

終わりに

今回初めてブロガー内覧会というイベントに参加させていただきました。
日頃展覧会を回るときはあまりイベントに参加しないので、非常に刺激的で興味深いひと時を過ごすことができました。

山崎館長のトークショーのときは「専門用語が次々と出てくる…結構ついていくのでいっぱいいっぱいだなぁ」と思っていたのですが、周りを見るとウンウンと頷きながら楽しんでいるご様子。
やはりこういうイベントに参加している方は知識も経験もおありですごいなーと思ってしまいました。私も勉強せねば。


興味湧きました。

奇しくも、この記事がこのブログの最初の記事となりましたので、これからもしつこく展覧会やミュージアムグッズについて書き綴っていきたいなと思います。
どうぞお楽しみに!